あと何度桜を見る事ができるのか。
この問いに答えられる人はいない。
ニューヨークの路上生活者の中で、
盲目の老人がいた。
この老人が手にしていたボードには
「目が見えないのでお恵みください」
と書かれていたが、誰も見向きも
しなかった。
ある日、ある男性がボードに書かれて
いた文字を許可なく書きかえた。
男性は世も末だと思っていたが、
彼が書き直してから沢山の人が、
お金や衣服、食事を恵んでくれた。
ボードには、私は目が見えません。
春が来ても桜を見る事が出来ません。
と書かれていた。